サンドイッチマン

   昭和初め頃東京の繁華街で体の前と後ろに看板を背負って宣伝の仕事をしている男がいた。

「ウナギ安いよ2円50銭だよ」「その店どこ」「あそこの角です」サンドイッチマンは愛想良く客の相手をしていた。口利き屋がやってきてサンドイッチマンに、今日はもういいと言い、サンドイッチマンに2銭渡した。陽に焼けたサンドイッチマンは金が少なすぎると言うと。口利き屋は、頭弱いくせに文句を言うなと言ってサンドイッチマンの足元に唾を吐いた。

帰り惣菜屋に行き売れ残りのおにぎりを3個買い家に戻った。買ってきたものを食卓に置き大好きな梅ぼし入りのおにぎりを見つめながら、(よく母さん仕事行く前に、おにぎり作ってくれた、明日はなんの仕事あるかな)とサンドイッチマンは一人ごちた。






食っちゃった

   朝の連続テレビドラマを クランクインしたトモコは打ち上げ後所属事務所に向かった。

マネージャーに言われた通り役員室の扉をけるとっ社長がいた。社長はお前の裸が見たいと、トモコに言った。

  トモコは社長に逆らわないように全裸になった。そして社長と重なった。終ったあと社長はトモコと目を合わせようとしなかった。社長は服を着て出て行った。

 数日後社長は1人でクラブで飲んでいた。

マスターに「娘と寝てしまったよ」と言うと、「よく聞きますその手の話、ウォッカもうワンショットいかがですか」

マスターは社長のグラスにウォッカを注いだ。

短編小説 白いおみくじ

  観光地の名跡の神社で修学旅行生がいた


「この神社のおみくじ引いたらおみくじに書いてある通りの

人生になるんだって」


学生たちの順番におみくじを引いていった。


「俺、大吉」「小吉」


最後の 1人がおみくじを引くと


「あれ、白紙」その声に学生たちが顔を向けるとそこには誰もいなかった。

短編小説二作


DHC マルチミネラル 徳用90日分

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ツヤ髪に合うメイク

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            戦さと逃避

「裏切り者をお前の手で殺せ」 
直属の武将からそう言われた侍は裏切り者の首を次々と刎ねていった。
人気のなくなった処刑場にずっとたたずむ侍の姿があった。
その前には家族の首が並べられていた。
侍の体は家族の首を切り落とした際の血で汚れていた。侍は興奮状態で震える手を草を吸って落ち着かせた。侍は家族の頭を火にくべた。
しばらくして骨になった家族たちの遺骨を骨壺に収め胸に抱いた。そして侍はどこかしらともなく去っていった。
数年後出家した侍は自分が殺した家族の遺骨を肌身離さず起きている間お経を唱えていた
しかし起きている間中侍の頭の中には今までの戦で殺した敵や家族の記憶がよみがえってきてそのたびに安定剤のように草を吸っていた、男の手は四六時中震えるようになってしまっいた。侍が寺に来た時から様子を見ていた上役の僧が、「それほど昔の記憶が辛いのなら本山へ行け」と言った。
数日後の侍が本山へ行くとある部屋に通された。
部屋の中には僧が1人いた。
その僧が侍に「生きているのは辛くて嫌か」と聞くと侍はうなずいた。
僧は侍に薬を差し出した
「この薬を飲めば辛い記憶から逃げられるただし一生眠り続けることになる、それでもいいなら飲みなさい」
侍はその薬を飲んだ


         引きこもりワクチン

「酒ばっかり飲んでないで散歩でもしなさい訪問看護師さんに1日1分でも外出ろって言われたんでしょう」
 母親は引きこもりの息子にそう言ってリビングに戻った。「あいつヒキコモって何年になる」と夫が聞くと「27年もう30年近くももヒキコモっている」
「俺たちも歳だしあいつ施設に預けるか」
「お金はどうするの」
「この家アパートにして家賃で工面する」
  半年後
「婆婆コンビニ寄って酒買ってこい」
引きこもりの息子を家から出した出した母親は、「は、はい」とだけ返事した。
母親は顔に青アザを作っていた。(息子の方がまだマシだった)
引きこもりの息子を施設に入れた後、家の空いてる部屋を格安で貸した。入居したのは親に暴力をふるっていた引きこもりだった。