逆光

私はITバブルを謳歌した、しかし末期癌を患った。今病室で家族と面会している。「お父さん頑張って」しかしその声の持ち主は誰かは私には分からない、癌が脳にまで転移して状況が分からなくなっているからだ、窓から光が差し込み逆光で家族の顔が黒ずんで見えた。やっぱりITバブル以来何も見えていない一人よがりの人生だったのだと悟った、息が苦しい、最後に家族の顔を見たかった、私は大きく息を吐いた、そして私の人生は終わった。