短編小説二作


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ツヤ髪に合うメイク

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            戦さと逃避

「裏切り者をお前の手で殺せ」 
直属の武将からそう言われた侍は裏切り者の首を次々と刎ねていった。
人気のなくなった処刑場にずっとたたずむ侍の姿があった。
その前には家族の首が並べられていた。
侍の体は家族の首を切り落とした際の血で汚れていた。侍は興奮状態で震える手を草を吸って落ち着かせた。侍は家族の頭を火にくべた。
しばらくして骨になった家族たちの遺骨を骨壺に収め胸に抱いた。そして侍はどこかしらともなく去っていった。
数年後出家した侍は自分が殺した家族の遺骨を肌身離さず起きている間お経を唱えていた
しかし起きている間中侍の頭の中には今までの戦で殺した敵や家族の記憶がよみがえってきてそのたびに安定剤のように草を吸っていた、男の手は四六時中震えるようになってしまっいた。侍が寺に来た時から様子を見ていた上役の僧が、「それほど昔の記憶が辛いのなら本山へ行け」と言った。
数日後の侍が本山へ行くとある部屋に通された。
部屋の中には僧が1人いた。
その僧が侍に「生きているのは辛くて嫌か」と聞くと侍はうなずいた。
僧は侍に薬を差し出した
「この薬を飲めば辛い記憶から逃げられるただし一生眠り続けることになる、それでもいいなら飲みなさい」
侍はその薬を飲んだ


         引きこもりワクチン

「酒ばっかり飲んでないで散歩でもしなさい訪問看護師さんに1日1分でも外出ろって言われたんでしょう」
 母親は引きこもりの息子にそう言ってリビングに戻った。「あいつヒキコモって何年になる」と夫が聞くと「27年もう30年近くももヒキコモっている」
「俺たちも歳だしあいつ施設に預けるか」
「お金はどうするの」
「この家アパートにして家賃で工面する」
  半年後
「婆婆コンビニ寄って酒買ってこい」
引きこもりの息子を家から出した出した母親は、「は、はい」とだけ返事した。
母親は顔に青アザを作っていた。(息子の方がまだマシだった)
引きこもりの息子を施設に入れた後、家の空いてる部屋を格安で貸した。入居したのは親に暴力をふるっていた引きこもりだった。